後藤総合車両所の公開にあわせて、キハ126が展示されました。

　一番の驚いたのは、側面構体を片運転台車なのに両運転台車のものと、共通化しています。これっていままで例がないケースだと思います。そのため、連結部のロングシート部は窓が開くようになっております。
　ということで、運転台の構体は側面はギリギリまでステンレスにしており、踏切事故での破損した際には、復旧作業が極めて困難だと思います。213系マリンライナーでもステンレス構体なので復旧にすごく苦労しておりました。
　将来、両運転台にする際には、ほとんど構体改造が不要な構体形成となっております。ちなみに先頭は完全に平面となっております。キハ120なんかの方がよっぽど複雑な成形をしていると思います。

　連結器が密着連結器となっております。従来車との連結は考慮に入れていないでしょう。　あまり増結は考えていないものと思います。

　冷房装置が従来品とは全く違う様に思います。屋根上に乗せている機器が２２３系電車の室外機みたいな大きさで厚みもあり、いままでみたいなエンジン駆動のセパレート式とも違うのです。
　車内の冷房ダクトは吹き出し口が小さいものの、バスタイプではなく、従来の鉄道車両に近い構造にしたものとしており、かなり見栄えが良くなっております。

　エンジンは停止させていたので、床下をのぞきこむと、エンジンはやはり小松製でした。またブレーキは電気指令式みたいで三菱電機製が積まれており、変速機は新潟鉄工製ということで、ノッチ制限金具が取り付けられていることを考えても、走行性能は無茶苦茶いいのでしょう。

　セミクロスというよりも、ほとんどクロスシート車と言えるほど無茶苦茶多いクロスシートですが、キハ120に近い形状をしているものの、背もたれに反対側の人の圧力が感じないようになっております。窓枠が狭すぎてなんにも置けそうにないのが残念です。
　手すりが形状が良いので、横方向の幅がそれほど狭いとは思えません。横方向のシート幅や窓枠を狭くしたのは、バリアフリー法の絡みで車椅子の通行を考えて通路幅を確保せざるえないからでしょう。テーブルぐらい取り付けても安いだろうに思うと、ちょっとやるせないです。
　パネル構造の車内機器は、取付に問題があるのか横方向に段差があり、見た目が結構良くないと思います。鉄道車両はいままで現場あわせが多かったということもあるのでしょう。
　クロスシートを思いっきり増やしたのは座席定員確保もありましょうが、このパネル構造の絡みがあります。初めて乗った印象として、サンライズの内装みたいと感じたのであります。

　ボックスシートの通路にも吊革がズラリと並んでいます。これはＪＲ西日本の標準仕様になっております。

　ワンマン機器が取り付けられておりますが、連結部分にはＬＥＤの案内装置が別に取り付けられている点です。また、車外のＬＥＤ表示器も、２２３系なんかと比べてもかなりデカイ（ＪＲ九州の885系ほどじゃない）ので、どういう使い方をするのでしょうか？
　ちなみにワンマン機器は従来とほぼ同じものが使われております。いやはや、どうして、この手のワンマン機器って全くと言えるほど改良が進まないのでしょうかネェ。

　トイレは、洋式化されており、スペース的には広いのですが、車椅子までに対応できるかになるとちょっと疑問です。あのくらい広かったら、手洗いに、鏡を取り付けて欲しかったと思います。（ステンレスを鏡面処理したものでも良いと思うので･･･）この辺が、まだまだ男性中心の社員構成であるＪＲの悲しさなんでしょうか？
　トイレはさすがに真空式となっております。米子に抜き取り設備を設置したのでしょうか？
 

　運転台は乗務員用扉がないのにも関わらず、準全室式としており、運転士の操作を横からのぞき込むことは出来ない様にしております。スペース的にはキハ120よりも前後方向も横方向も狭い感じです。運転台だけ見るとキハ120の方が立派に見えるくらいです。（笑）
　キハ120は足下の部分が前に出ていたのですが、キハ126は極端なくらい完全に平面である点が、スペースの削減に出てきたと思います。長距離乗務は、かなり辛いでしょう。
　ちなみにノッチ投入を制限する金具が設置されております。地上設備がまだ高速運転に対応できていないのでしょうか？